「含蓄」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「含蓄」とは、「表面に現れていない深みのある意味・内容」のことです。
「含蓄」の言い換え・類語・使い方・例文・言葉などについて詳しく解説していきます。
目次
- 「含蓄」の意味とは?
- 「含蓄」の言い換え
- 「含蓄」の類語
- 「含蓄」の使い方
- 「含蓄」を使った例文
- 「含蓄」を使った言葉
「含蓄」の意味とは?
「含蓄」とは、「内に含みを持っていること」や「表面に現れていない深みのある意味・内容」を意味しています。
含蓄というのは、一般的にその人の言葉・態度・生き様などに「表面的な要素だけからは知ることができない非常に深い意味・価値」が含まれていることを意味しています。
物事や人物にしみじみと感じ入るような深みが感じられる時に「含蓄」という言葉を用いることが多く、その深みは「味わい深さ・言葉の重み・奥行きのある人間性・人生経験の豊かさ」などに支えられているのです。
「含蓄」は人生経験の豊かさや知性・見識の高さ、重みのある言動、味わいのある生き様などによって形成されるものであり、「含蓄のある言葉・含蓄のある態度」に人は尊敬の念を覚えることも多いのです。
含蓄には「内に含みを持っている言い方や態度(率直ではない間接的な言い方)」や「それとなく含みを持たせて内容を示すこと」の意味もあり、その場合には相手を傷つけないように配慮していることが多いのです。
- 「含蓄」の読み方
「含蓄」の読み方
「含蓄」の読み方は「がんちく」になります。
「含」は訓読みで「含む(ふくむ)」の読み方がありますが、音読みでは「がん」という読み方になります。
「蓄」は訓読みで「蓄える(たくわえる)」の読み方がありますが、音読みでは「ちく」という読み方になります。
「蓄(ちく)」という音読みでは、「蓄積(ちくせき)・備蓄(びちく)・蓄膿(ちくのう)」といった言葉があります。
「含蓄」の言い換え
「含蓄」の言い換えとして、「深い意味のある・奥深さがある」「含みがある・ほのめかす」「噛めば噛むほど味がある」などが上げられます。
含蓄は言葉や表面には現れることがない深い意味・内容を示唆しているので、「深い意味のある・奥深さがある」という言葉に言い換えることが可能です。
相手の表情・発言・態度などに、秘められた奥深さや意味深さが感じられる時に「含蓄」を用いることが多いのです。
「含蓄」にはストレートに表現しない間接的な含みのある言い方という意味があるので、「含みがある・ほのめかす」という言葉に言い換えることができます。
人間的な味わい深さや奥行きの深さも意味しているので、「噛めば噛むほど味がある」という言葉に言い換えもできるでしょう。
「含蓄」の類語
「含蓄」の類語には、以下のようなものがあります。
- 「含意」【がんい】
- 「深遠」【しんえん】
- 「仄めかす」【ほのめかす】
「含意」【がんい】
「含蓄」の類語として、「含意(がんい)」があります。
「含意」の意味は、「言葉の意味を含んでいる」や「言葉がある意味を間接的に示唆している」という意味になります。
含蓄には「言葉や態度が含みを持っている」という意味があり、「含意」とほぼ同じ意味合いになります。
国語辞典にある含意の意味は、「表面には現れない意味を言葉・文章に含ませること」ですが、「pが真であれば必ずqが真になる時、pはqを含意することになる」という数学的な命題の意味・定義もあります。
「深遠」【しんえん】
「含蓄」の類語として、「深遠(しんえん)」があります。
「含蓄」の意味は「表面的な言葉には現れることのない深い意味や内容を含んでいること」であり、その意味とほぼ同じ意味合いを持つ類語として「深遠」を上げることができます。
深遠は「内容や意味が奥深くて簡単には理解することができないこと」や「奥深いために容易に意味・内容を推測することもできないさま」という意味になります。
「含蓄に富んだ言葉」というのは、「深遠な言葉」でもあるのです。
「仄めかす」【ほのめかす】
「含蓄」の類語として、「仄めかす(ほのめかす)」があります。
「含蓄」には、「はっきりと直接的に伝えずに間接的に伝えること」や「率直に言わずに言葉に含みを持たせていること」という意味があります。
この率直ではない遠まわしの間接的な伝達を示す類語として、「仄めかす」を上げることができます。
仄めかすは「直接的に伝えずに、それとなく言葉や態度に表して示すこと」や「本当に伝えたいことを、何となくにおわせて暗示すること」という意味になります。
仄めかすの「仄」の漢字を用いた熟語には「仄聞(そくぶん)」があります。
仄聞の意味は、「少しだけ耳にすること+ほのかに人から伝え聞くこと」になります。
「含蓄」の使い方
「含蓄」の使い方は、相手が直接的に言いたいことを伝えてこずに、含みのある間接的な伝え方をしてきた時に使います。
「含蓄のある言い方・伝え方」をする時には、相手を傷つけないように一定以上の気遣い・遠慮をしていることが多いのですが、「含みのある言い方を上手にできる人」はコミュニケーション能力や言語運用能力が高いのです。
「含蓄」のもう一つの使い方として、「表面的な言葉や態度からは十分にうかがい知ることのできない深みのある内容・意味」を感じた時に使います。
社会経験が豊かな仕事ができる先輩から、今の自分の仕事状況に対する深みのあるアドバイスをもらった時には、「含蓄のある助言によってだいぶ気分が楽になった」というように言うことができます。
人生の先達や老熟した相手から深い意味を感じる言葉を掛けられた時にも、「含蓄のある言葉から学ばされることが多い」といった使い方をすることができます。
「含蓄」を使った例文
「含蓄」を使った例文には、以下のようなものがあります。
- 「含蓄」の例文1
- 「含蓄」の例文2
- 「含蓄」の例文3
「含蓄」の例文1
彼は私に対して「別れたい」とはっきり言わずに、「含蓄」のある持って回った言い方をしてきたが、そういった遠まわしの別れの言葉はただ卑怯な物言いとしか思えなかった。
「含蓄」の例文2
長年の人生経験に裏打ちされた先生の「含蓄のある言葉」を聞いたことで、私は今まで一人で長年悩み続けてきた問題が解決できそうな気がしてきたのである。
「含蓄」の例文3
遥か昔の古代ギリシア・ローマの時代から、ソクラテスやプラトン、アリストテレス、マルクス・アウレリウス(哲人皇帝)といった一流の哲学者たちが、簡単には理解することができない深遠な思想を、「含蓄に富んだ言葉・文章」で真摯に語り続けてきたのである。
「含蓄」を使った言葉
「含蓄」を使った定型的な言葉や慣習的な言い回しには、以下のようなものがあります。
「含蓄」を使った言葉について分かりやすく紹介していきます。
- 「含蓄のある言葉(表現)」
- 「含蓄に富んでいる」
「含蓄のある言葉(表現)」
「含蓄」を使った定型的な言葉として、「含蓄のある言葉(表現)」があります。
「含蓄のある言葉(表現)」は、「表面的な言葉・表現だけからは知ることのできない意味や内容の深さ」を意味しています。
「含蓄のある言葉(表現)」を語ったり聞いたりすることによって、人生の味わい深さや奥行きの深さは格段に増してくるのです。
「含蓄のある言葉(表現)」を使った例文として、「長年の教師生活を通じて学んできたことが、今、含蓄のある言葉の源泉になっている」や「含蓄のある表現に接したことで、私は今までの固定観念が突き崩された」などを考えることができます。
「含蓄に富んでいる」
「含蓄」を使った定型的な言葉として、「含蓄に富んでいる」があります。
「含蓄に富んでいる」というのは、「言葉・思考・人間性に簡単にはうかがい知れない奥深さがあること」や「その人の言葉や態度から間接的に伝わってくる知性・見識の高さがずば抜けていること」を意味しています。
「含蓄に富んでいる」を使った例文として、「明治の文豪が書いた小説の多くは、時代風刺や人間心理の分析をはじめとして含蓄に富んでいる」や「彼の語る言葉を少し聞いているだけで、彼が含蓄に富んだ人物であることは明らかであった」などを上げることができます。
「含蓄」という言葉を徹底的に解説しましたが、含蓄には「言葉に含みを持っている」や「表面的な言葉や態度に現れない意味・内容の深さ」という意味があります。
含蓄の類語として、「含意」「深遠」「仄めかす」などを考えることができます。
含蓄を使った定型的な言葉として、「含蓄のある言葉」「含蓄に富んでいる」などを上げることができます。
「含蓄」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にして下さい。