「格好の餌食」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
この数年、ちょっとしたことで、インターネットの世界で注目されてしまう時代となっています。
ネットでは、TwitterやInstagramなどのSNSに多くの人々が色々なことを言ったり、つぶやくだけでなく、アングラ的な情報さえ簡単に手に入れることができます。
この時に思い浮かべる言葉が、「格好の餌食」という言葉ではないかと思います。
最近のSNSなどのインターネットの発展によって、情報がすぐに拡散されてしまう環境ができているので、大したことではないように思えることでも、すぐに標的となってしまいます。
特定の人を対象して叩いたり、炎上するように「格好の餌食」が、頻繁に出てきて、やにくくなった時代でもあります。
目次
- 「格好の餌食」の意味とは?
- 「格好の餌食」の類語や言い換え
- 「格好の餌食」の使い方
- 「格好の餌食」を使った例文
- 「格好の餌食」を分解して解釈
「格好の餌食」の意味とは?
「格好の餌食」とはどのような意味を持っているのでしょうか?
「格好の餌食」に使われている「恰好」という漢字には、「ちょうど良いよい」、「似合い」というような意味があります。
感覚的には、「ジャストフィット」や「ビンゴ!」のようなニュアンスがあります。
一方の「餌食」は元々、「餌となる食べもの」や「生贄(いけにえ)」という意味がありますので、「犠牲者にするのにちょうど良い存在・対象」と言う意味合いを持つことになってきます。
インターネット時代の象徴であるSNSにおいては、「批判や非難をするのにちょうどいい対象、標的」という意味として理解することができるでしょう。
- 「格好の餌食」の読み方
「格好の餌食」の読み方
「格好の餌食」は、「かっこうのえじき」と読むことになります。
「格好の餌食」の類語や言い換え
では、「格好の餌食」は、同じ言葉で表現するなら、どのような同義語が挙げられるでしょうか?
- 「詐欺師の好餌」
- 「生贄の羊(いけにえのひつじ)」
- 「鴨ネギ」
「詐欺師の好餌」
「詐欺師の好餌」は、「さぎしのこうじ」と読みますが、
「詐欺師の好餌」の意味には、「良いえさ」や「人を誘惑するのに都合のよい手段や材料」があり、「味や匂いのよいえさ」の香餌(こうじ)があります。
これも人を誘い寄せるようなうまい話などにいう時に使う言葉ですが、「香餌」=「好餌」です。
「好餌」も「好餌に釣られる」といったような使い方があります。
ニュアンス的には、少々、悪いイメージを持った表現のような感じがあります。
「欲望の犠牲などになりやすいもの」という意味からして、何か誘惑的な雰囲気が漂っている言葉です。
特に「人を誘い寄せる手段」として、「好餌をもって人を誘う」などの文例ならば、悪女が妖艶に男性を騙すような印象を持ってしまいそうです。
「生贄の羊(いけにえのひつじ)」
「生贄の羊」も、「格好の餌食」に近いニュアンスを持っている言葉かもしれません。
「生贄の羊」は、元々、「身代わり」や「生贄」などの意味合いを持っている聖書からの言葉が由来となっています。
言い換えとしては、「贖罪の山羊」と表現されることもありますが、英語でいう「スケープゴート“scapegoat”」と表現するとすぐに理解される人もいることでしょう。
この言葉の語源としては、ヘブライ聖書での「贖罪の日に人々の苦難や行ってきた罪を負わせて荒野に放した山羊」から発した言葉です。
この言葉が次第に、人の不満や憎しみ、責任を原因となるものや対象者に向けるのではなく、他の対象に置き換えることで、不満・憎悪の念を解消させたり、鎮めることを図る時の対象を指すようになってきたのです。
よく使われるケースでは、事態を無理矢理に鎮静化させるために「無実の罪」を着せる「身代わり」などがあります」
「鴨ネギ」
「鴨ネギ」も、「格好の餌食」の同義語と言えます。
この言葉の意味は、「自らネギを背負ってくる鴨のように、こちらにとって都合がいい人」を指しています。
簡単に言うと、「都合のいい相手。対象となる人」ですね。
元々の言葉は、「鴨が葱ねぎをしょって来る(背負ってくる)」で、鴨鍋をする時に材料が揃うことから、この言葉が生まれてきたようです。
それが、「願ってもないこと」、「大変好都合であること」という意味に転じてきたのです。
このこの慣用句から、そのような人を略して「カモ」と言うこともあります。
「アイツはカモになるぞ」
こんなふうな言い方です。
「格好の餌食」の使い方
「犠牲者にするのにちょうど良い存在・対象」と言う意味からして、ギャンブルなどで負ける対象とされる人のことを、この言葉で表現することがあります。
他には、どのような使い方があるでしょうか?
「格好の餌食」を使った例文
「格好の餌食」を使った例文は、次のような表現があります。
- 「格好の餌食」の例文1
- 「格好の餌食」の例文2
- 「格好の餌食」の例文3
「格好の餌食」の例文1
「資産家の老人は、詐欺の格好の餌食となるため、オレオレ詐欺に遭いやすい」
今では、裕福な老人も騙してお金を巻き取る手口して、「オレオレ詐欺」が後を絶ちません。
詐欺とは分かっていても、黙れてしまうので、許すことのできない憎むべき所業です。
「格好の餌食」の例文2
「清純派女優の不倫は、マスコミの格好の餌食となってしまう」
最近では、不倫ネタで芸能界が揺れていますね。
他に話題がないのかと、少しあきれてしまいますが、このようなケースでも、「恰好の餌食」が最も適する用例かもしれません。
「悲しいことに悲惨な事件でも、被害者の遺族がマスコミの格好の餌食となってしまう」
こんな報道がされることもありますが、とても悲しいことです。
「格好の餌食」の例文3
「いじめに飢えた連中にとって、彼は格好の餌食に映ったのかもしれません」
いつの時代にも、いじめがなくなることがありません。
「格好の餌食」は、このような場合でも使われしまいますが、あまり使いたくない例文です。
「格好の餌食」を分解して解釈
「格好の餌食」を「格好」と「餌食」の2つに分けて、それぞれ意味を見ていくことにします。
- 「格好」
- 「餌食」
「格好」
「恰好」とは、「外から見た時の形や外見」、または「見栄えのこと」を指しています。
「恰」という漢字には、「あたかも」や「ちょうど」という意味がありますし、「好」には、「良い」や「好ましい」という意味から、組み合わさったことで「ちょうどいい感じ」を表す言葉となります。
「餌食」
「餌食」とは、「動物の捕食対象」、「餌(えさ)」のことです。
このことから、「他者の欲望や利益のために犠牲になるもののこと」を指すようになりました。
これらのことから、「格好の餌食」を素直に意味を理解しようとすると、「欲望のための食物にするのにちょうどいい対象や人物」ということになります。
あるいは、「格好の的」などとも言われることもありますが、これも、攻撃の標的となるターゲットのことを指す言葉です。
個人的には、そのような人にはされたくありませんね。
「格好の餌食」という言葉を知ると、色々な場面で使っているかもしれません。
自分自身で使うことがなくても、他の人が、この表現を使っていることを耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そのような時の会話では、あまりいい意味で使われていることがないでしょう。
それは、人を騙しているからかもしれないからです。
しかも、このことで一人の人間が不幸になっている可能性もあるのです。
ビジネスでも「格好の餌食」を使う人が時々います。
これも決して好ましいことではありませんが、お客さん商売をしている人間が「格好の餌食が来た」と言っているのであれば、決して健全なビジネスではありません。
「格好の餌食」は、どうしてもそのようなことばかり連想させてしまうのです。
しかし、この言葉を理解することで、自分の生き方をただすことも大切なことでしょう。