「情景」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
私たちの生活の中で情景という言葉を自然に使っているのではないでしょうか?それほど難しい言葉でもありませんから、小学生高学年以上であれば、その言葉を聞いたことがありますし、使ったこともあることでしょう。
今回はその「情景」という言葉に深く迫っていきましょう。
目次
- 「情景」の意味とは?
- 「情景」の類語や言い換え
- 「情景」の使い方
- 「情景」を使った例文
- 「情景」を使った言葉
- 「情景」とその他の言葉の違い
「情景」の意味とは?
「情景」とは「情」という文字と「景」という文字の二つから成り立っています。
このように二つの文字に分けて考えてみますと、その意味をより一層知る事が出来ます。
まず後半の「景」というほうからですが、これにはある様子、ありさまという意味があります。
この「景」を使用した文字で有名なのは「景色」です。
これからわかるように、この「景」には、ある状態や様子を表しています。
それに加えて「情」という文字が「情景」には加わっています。
この「情」という文字の意味は、人の心が関係しています。
この「情」を使った有名な文字は「感情」です。
これからわかるように、この「情」には、人の心、感情、思いが関係しています。
では、二つの「情」と「景」を組み合わせて考えてみましょう。
ただ単なる状態や様子だけでなく、人の心に関係する、または訴えかける状態の事を指します。
これで「情景」は人の心を良い意味でも悪い意味でも揺さぶるある、状態、様子と言えるでしょう。
- 「情景」の読み方
「情景」の読み方
「情景」は「じょうけい」と読みます。
「情」は訓読みすると「なさけ」と読む事が出来ますが、「景」と組み合わせた時には、「じょう」と発音し、「景」は「けい」とも「えい」とも読むことが出来ますが、「じょうけい」と読みます。
「情景」の類語や言い換え
情景には似たような言葉、類語があります。
その類語について調べてみましょう。
- 光景
- 場景
- 壮観
光景
「光景」には「情景」にも含まれる「景」という文字がつかわれています。
この「光景」という言葉には、印象に残る景色という意味があります。
ただ単に、ある状況を表すこともありますが、綺麗であったり、人の感情、記憶に残るものを指しますから、確かに「情景」と「光景」は似た言葉であると言えるでしょう。
場景
この「場景」は「情景」と同じ読み方で「じょうけい」と読みます。
しかし漢字を見てもわかるように意味は若干異なります。
「情景」が人の感情に影響を与える様子を表すのに対して、「場景」はある場面の詳しい状況という意味があります。
それで、「場景」と「情景」は同じ読み方をしますが、意味は少し異なるという事を覚えておきましょう。
壮観
この「壮観」には「情景」の言葉の「情」も「景」も使われていません。
しかし「壮観」の言葉の意味は、ある景色や様子が、人に感動を与える様を伝えています。
たしかに「情景」はその結果が良くも悪くも人の感情に影響を与えるものですが、「壮観」は人に感銘や感動を与えるという、プラスの意味での影響を与えるという意味があります。
「情景」の使い方
「情景」という言葉を使うときには、必ずその情景が人にどのような影響を与えたのかを描写するようにしましょう。
その描写があることによって、その「情景」が単なる「景色」や「様子」ではないという事を強調することが出来るでしょう。
「情景」を使った例文
- 「情景」の例文1
- 「情景」の例文2
「情景」の例文1
「この音楽を聴くと中学生の時の甘酸っぱい情景を思い起こさせる」
この例文の中では「情景」が中学生時代の、甘酸っぱい記憶を思い起こさせると書いています。
音楽を聴いているときに、ふと昔の記憶がよみがえって、「懐かしい」「楽しかった」「ほろ苦い恋の気持ち」などを思い起こさせることがあります。
これは実際に見ている様子ではありませんが、心の中で思い描いている様子がたしかに心に影響を与えているので、「情景」という言葉を用いるのが最善でしょう。
「情景」の例文2
「昨日の事故の情景が忘れたくても忘れられない」
ある日、大きな事故を目撃してしまって、その悲惨な様子に、心が痛み、その情景を忘れたくても忘れられないという事があります。
この事故の詳細という事では「場景」という言葉を用いることが出来ますが、その様子が心に痛みや衝撃を与えたという事を表現したいときには「情景」という言葉を用いるのが最善でしょう。
この例文のように「情景」は積極的な感情だけでなく、消極的な感情の際にも用いることが出来ます。
「情景」を使った言葉
「情景」という言葉をどのように使えるのでしょうか?例を見ながら考えてみましょう。
- 「情景が浮かぶ」
- 「物語の情景」
「情景が浮かぶ」
これは、私たちが目にする場景ではなく、心や頭の中で浮かぶある様子ですが、その様子が、「楽しい」「辛い」などのように感情に影響を及ぼす際に、「情景が浮かぶ」という言葉を用います。
「物語の情景」
物語の詳細ではなく、「物語の情景」という言葉を用いる際には、ある物語を読んだり、聞いたりしたときに、それがある感情や、気持ちとに影響を与えているという事を伝えています
「情景描写」
ある景色を見て、どのような気持ちになったかを表現します。
たとえば、その景色を見て、感動したのか?思わず涙してしまったのか?そのような感情の動きがあった時には「情景描写」という言葉を用います。
「情景」とその他の言葉の違い
情景には先ほど考えたように類語があります。
明確にどのように違うのかを考えると、使い分けをすることが出来ます。
- 「情景と光景の違い」
- 「情景と風景の違い」
- 「情景と伏景の違い」※同じ
「情景と光景の違い」
「光景」はある景色や、様子の状況を指しているのに対し、「情景」はそれから一歩踏み込んで、その「光景」によって、どのような感情になったかを伝えています。
他の言い方をするならば、目から入ってくる情報が「光景」でそれが心に入った時点で「情景」となります。
「情景と風景の違い」
「風景」は「光景」と非常によく似ておりますが、「風景」は特に自然界の様子を指すことが多いのが特徴です。
たとえば、「山の風景」「海の風景」というような使い方をします。
先ほどの「光景」と同じように、その「風景」が非常に綺麗で、感動した場合には「情景」という言葉を用いることが出来るでしょう。
「情景と伏景の違い」※同じ
「情景」と「状景」は同じ読み方で「じょうけい」と読みます。
「じょう」に関して用いられている漢字は異なります。
「情景」の場合は「感情」の「情」が用いられているのに対して「状景」の場合は「状態」の「状」が用いられています。
使用されている漢字が異なれば、その漢字の意味も異なりますから、意味が違ってきて、当然です。
しかし、興味深い事に、この「情景」と「状景」は同じ意味になります。
それでどちらを使っても正解にはなりますが、「情景」の文字のほうが一般的に用いられていますので、そちらを使用するほうが、多くの人に理解していただけるでしょう。
今回は「情景」という言葉の意味、読み方、そして使い方や例文、類語とその類語との違いについて考えることが出来ました。
普段何気なく使っていた「情景」という言葉ですが、このように詳しく調べてみますと、会話をしていたり、本を読んでいたり、何か文章を書いたりするときに、より一層正しい日本語を用いることが出来るでしょう。
今回の「情景」のポイントとしては「情景」という言葉には「景色」「光景」「場景」「壮観」「眺望」と似たような言葉はたくさんありますが、人の感情に影響を与える際に「情景」という言葉を用いることが出来るという事を学びました。
もしその事を忘れてしまった際にはこの「情景」には「感情」という意味の「情」が含まれていることを思い出しましょう。
ではこれからも、この地球上の素晴らしい景色、私たちの心の中に広がる大きな世界、思い出を探検し、貴重な「情景」を増やしていくことにいたしましょう。