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「検討する」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!

日本語には、良い意味や悪い意味、どっちとも取れる曖昧な言葉が数多く存在します。

例えば今回ご紹介する「検討する」という言葉は、前向きにも後ろ向きにも捉えられる言葉です。

就職活動や進学、何かしら決断や決定を受けなければいけない時に直面することの多いこの言葉。

どういった心構えでこの言葉を受け止めるべきか、また、どういった場面で使われているのか深く意味を理解しておきましょう。

検討する

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「検討する」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「検討する」の意味とは?
  • 「検討する」の類語や言い換え
  • 「検討する」の使い方
  • 「検討」を使った言葉
  • 「検討をする」を敬語にする場合


「検討する」の意味とは?

「検討する」の意味とは?

日常生活でよく使われる言葉ですね。

「物事を調べ善し悪しを考えること」を指す言葉です。

実際には、何かしら提示された物事を詳細に調べ上げてそれが適正かどうかや、良いかどうかを判定しようとする時によく使われる言葉です。

例えば就職・進学などの採用試験や、会社では新企画や提案などです。

就職・進学については、会社や学校には定員が決められており、それを超えて応募があった場合に試験や面接を経て、その会社や学校に属するにふさわしいかを判断します。

新企画や提案に対しても、それに割く人員や時間・費用などをしっかりと考えて、実行するかどうかを決めなければなりません。

そういった時に、データや資料をもとにその人を採用する事や物事を実行するのが良い結果となるかどうか、事前に考えたり調べたりして決めることを「検討する」と言います。

「検討する」の曖昧さ

意味の項でも述べたように、物事を事前に調べたり考えたりすることが「検討する」という言葉ですので、実際普段の生活で使われているのは曖昧な意味合いであることも多い言葉です。

商談などのビジネスの場では「検討する」とは社内や自分の持ち場へ持ち帰り今一度考え直すという意味でよく使われています。

その場で即答が出来ない為もう一度しっかりと考え直すという意味です。

就職や進学などの試験の場では「検討する」とは、即答ができないのはもちろん「採用するかはわかりませんが考えさせて下さい」という意味で使われています。

しかしながら、案や人を採用する気が無くてもその場で即答すると場の雰囲気を悪くするために「検討します」と言って時間稼ぎをするのに使われる事もある言葉です。

つまり、良いかどうか等を「考える」だけであって、必ずしも良い結果になるというわけではないという事です。

良い意味でも、悪い意味でも「よく調べて考えてみますね」と相手に伝えるための言葉です。

「検討する」の読み

「けんとうする」と読みます。



「検討する」の類語や言い換え

「検討する」の類語や言い換え

考えを巡らせたり、調べたりする言葉には様々な表現があります。

その中から今回は3つ、掘り下げてみましょう。

  • 「吟味する」【ぎんみする】
  • 「熟考する」【じゅっこうする】
  • 「調査する」【ちょうさする】

「吟味する」【ぎんみする】

「ぎんみする」と読みます。

様々な意味を持つ言葉で、主に「物事を念入りに調べる」「罪状を調べて事実関係を明らかにする」「詩歌を吟じてその趣を味わう」という3つの意味があります。

「検討する」に似ている類語とされるのは1つ目の意味である「物事を念入りに調べる」という点です。

事実などを明らかにするためにしっかりと調べる、確かめるために詳細を調べると言う意味合いが強い言葉です。

「熟考する」【じゅっこうする】

よくよく考えることや、十分に思いを巡らせることです。

「じゅっこうする」と読みます。

「じゅくこう」と読み間違える方が多くいますが、正しくは「じゅっこう」です。

念には念を入れて考える事を指しており、何か物事を始める時や、結果・結論を出さなければいけないときに、慎重に深く考えることを意味して使われます。

「調査する」【ちょうさする】

「ちょうさする」と読みます。

目的となる物事や対象の動向や実状を明らかにするためによく調べる事を意味します。

調べるために必要な情報収集を行い、最終的には数値を出したり何かしら結果を出します。

その一連の流れを「調査する」といいます。

「検討する」の使い方

「検討する」の使い方

ビジネスやニュースなど様々な場で耳にする「検討する」という言葉。

実際どうやって使われているのか例文を見て理解を深めましょう。

  • 「検討する」の例文1
  • 「検討する」の例文2

「検討する」の例文1

「Aさんに提案された新企画を採用するか皆で検討する」

「検討する」というのは一人でなく多数で行う場合も使える良い表現です。

皆で資料やデータなどをもとに考えたり、議論したり、考えを出し合って良いかどうかを考えます。

組織内で何か新しい事を始めたり、何かを見直す時にはたったひとりの独断では意見が一方に偏ってしまいます。

皆で公平に判断するため、調べあい、考えあう事を「検討する」と表現できます。

「検討する」の例文2

「検討するとなると、もっと詳細な情報が欲しい」

「検討する」ということは、ただ自分の頭で考えるだけでなく元となる資料やデータなどの情報が必要です。

様々な情報をもとに考えを巡らせることを言います。

「検討する」ために必要な情報を集めることが必要です。

それが良いかどうか、公正な判断や考えをするためです。

ただ考えるだけであれば類語の「熟考する」でも良いでしょう。



「検討」を使った言葉

「検討」を使った言葉

「検討」を使った表現はたくさん存在します。

耳慣れた3つの表現をご紹介しましょう。

  • 「検討を重ねる」
  • 「検討次第連絡します」
  • 「検討中」

「検討を重ねる」

「検討する」を更に強い意味にした言葉です。

とても慎重に決めなければならない重要事項を考える場合に使われます。

何度も考えなおしたり、あらゆる方面から物事を深く調べ、時間を欠けて善し悪しを決める必要がある場合に使う言葉です。

「検討次第連絡します」

何か決断をしなければいけない時、結果を決めなければいけない場合に、どうしてもその場では即答できないこともあります。

しかも、それがどのくらいで答えが出せるかある程度の見立てもできない場合があります。

そういった時にちょうど良いのがこの表現です。

「しっかりと考えて答えを出してから連絡します」という意味合いで相手にポジティブに伝えることができます。

「検討中」

「物事について今まさに善し悪しを考えたり調べている最中」という事です。

まだ答えが出かねている時や、もう少しじっくりと考えたり調べる時間が必要な場合に使います。

「検討をする」を敬語にする場合

「検討をする」を敬語にする場合

「検討」自体は失礼な言葉ではありませんから、目上の人へ使っても良い言葉です。

ただし、相手に何かを考えてほしい時や決定を仰ぎたい場合や、自分が決定を迫られて考える時間や猶予を得たい場合に「検討して下さい」「検討します」とそのまま伝えるのは失礼です。

「検討する」を敬語表現にするなら、「検討いたします」という謙譲表現がベストでしょう。

「検討させていただきます」だとくどい表現ですし、さ行の言葉が多く言いづらくもあります。

また、誰かに検討をお願いするときには「ご検討ください」「ご検討いただければ幸いです」といったように、尊敬語にして伝えましょう。

icon まとめ

いつも聞きなれている言葉である「検討する」という言葉ですが、良い意味でも悪い意味でも使われている曖昧な日本語のひとつとも言われています。

たとえば何かの合否を決める場合に「検討します」と言われると「今からしっかり考えてくれるんだな」と期待する人もいれば、「もう答えは決まってるけどとりあえず格好だけでも言ってるんだな」とマイナスに考えてしまう人もいる事でしょう。

本来の意味は「物事をよく調べて考え、あらゆる方面から善し悪しを考える」という事です。

自分の思う意味だけで悪く捉えずに、本来の意味を理解し言葉を正しく受け取りましょう。