「周知の事実」の意味とは?類語や使い方、例文を紹介!
「周知の事実」という言葉の意味、読み方、使い方を紹介します。
さらに「周知の事実」を分解して解釈したり、例文を使って解説して行きます。
目次
- 「周知の事実」の意味とは?
- 「周知の事実」の類語
- 「周知の事実」を使った例文
- 「周知の事実」を分解して解釈
- 「周知の事実」について徹底解説
「周知の事実」の意味とは?
「周知の事実」とはどのような意味の言葉でしょうか。
「みんなが知っている事」、「広く知れ渡っている事実」というような意味があります。
「誰もがすでに知っている」という事、「本当の事」という要素が含まれている場合に、「周知の事実」という言葉を使います。
「常識」になっているほど知れ渡っているという点がポイントになります。
またそれほど知れ渡っていない場合でも「周知の事実」だという事で、社会的に知られている事を強くアピールする事ができます。
一方で「知らないと恥ずかしい事」という意味に転じる事もあります。
目上の人に最近のカルチャーについて説明する時に「それは周知の事実です」と言うと、相手の感情を損なってしまう可能性があります。
「周知の事実」という言葉を使う時は、スマートに相手の気持ちを傷つけないように注意を払う必要があります。
ただし使い方や意味を知らないと、ビジネスシーンでは恥ずかしい言葉でもあります。
できるだけ意味に精通して、使い方には注意する、そんな言葉になりそうです。
- 「周知の事実」の読み方
「周知の事実」の読み方
「周知の事実」は「しゅうちのじじつ」と読みます。
「しゅうち」という熟語は比較的たくさんありますので、間違えないように気を付けましょう。
「周知の事実」の類語
それでは「周知の事実」という言葉に似た言葉を見て行きましょう。
「周知の事実」は分かるようで分からない、なかなか頭に入ってこない言葉でもあります。
類語を知る事で、「周知の事実」の本当の意味を知る事ができるかもしれません。
- 公然の事実【こうぜんのじじつ】
- 一般常識【いっぱんじょうしき】
公然の事実【こうぜんのじじつ】
「周知」という言葉は「公然」という言葉に近いです。
どちらの言葉も「広く知れ渡っているような事実」という意味があります。
すでに秘密ではなく、誰もが知っている事実なので、隠す必要が無いほどです。
そのため、「公然の事実だから、もう発表していいよな」という使い方をする事もあります。
一般常識【いっぱんじょうしき】
「周知の事実」は「一般常識」という言葉と意味が似ています。
「周知の事実」は「広く知れ渡っている」上に、「事実」でもあります。
広く知れ渡っている事実は「一般常識」と言っても過言ではないでしょう。
それでも入社時の試験に出るほど、確定した事実ではないため、「周知の事実」は「一般常識」よりも未成熟な知識で、やや範囲が狭い知識といえるかもしれません。
「これは一般常識ですよ」というよりも、「周知の事実ですよ」と言った方が、表現として柔らかく感じるのはそのせいかもしれません。
社内や業界で最近、一般常識的に扱われるようになった出来事を「周知の事実」などと表現するとスマートかもしれません。
「周知の事実」を使った例文
「周知の事実」を使った例文を見ながら、使い方をチェックしていきましょう。
3つの例文を見る事で、どのように「周知の事実」を使うべきかどうか理解できるかもしれません。
- ビジネスシーンでの「周知の事実」を使った例文
- 恋愛シーンで「周知の事実」を使った例文
- 使うとあまり良くない「周知の事実」を使った例文
ビジネスシーンでの「周知の事実」を使った例文
ビジネスシーンで「周知の事実」という言葉を感じ良く使うための例文を紹介します。
例えば会社の同じ職場に、尊敬できる先輩がいるかもしれません。
その先輩はとても努力していて、結果も出しているのに、イマイチ存在が地味で上司や同僚へのアピール度が少ないかもしれません。
そんな先輩を尊敬している後輩の立場で、先輩を励ますために「周知の事実」という言葉を使ってみましょう。
「先輩はすごいですよ」と褒めると、先輩は「そんな事ないよ、全然アピールできてないから評価が低い」と言うかもしれません。
そこで「そんな事ありません!先輩がすごく頑張っているという事は、周知の事実です!」と言いましょう。
「先輩が頑張っている事、優秀な事は、すでに職場のみんなが知っています」という意味の言葉で、先輩を励ます事ができます。
恋愛シーンで「周知の事実」を使った例文
恋愛シーンで「周知の事実」という言葉を使う時は、どのような場面で、どのような例文になるでしょうか。
例えば社内恋愛をしているカップルがいます。
社内恋愛をしている事がばれると面倒だと思い、男性も女性も、付き合っていないかのように振る舞っています。
しかし、すでに職場のみんなが付き合っている事を知っていて、「堂々と付き合ってくれた方が気が楽だ」と思っているとします。
そんな時、飲み会などの砕けた場面を利用して、社内恋愛をしているカップルの男性に「○○さんと付き合っているでしょ。
周知の事実ですよ」と声を掛けてみましょう。
否定するかもしれませんが、「すでに周知の事実になっているならば」と、観念して付き合っている事を認めるのではないでしょうか。
次の飲み会で、付き合っている女性を呼び出してお祝いをすれば、公然のカップルが誕生します。
恋愛が成就するかどうか分からないカップルに、このようなおせっかいをする必要はありませんが、結婚待直のようなカップルや、発表したくてもできないようなカップルがいる場合は、「周知の事実」という言葉を使って、みんなが知っている事を伝えましょう。
使うとあまり良くない「周知の事実」を使った例文
「周知の事実」には「一般常識」という意味もあります。
そのため「周知の事実」である事を知らないと「一般常識を知らない人」のような気になって傷つく事があります。
ビジネスシーンで「周知の事実」という言葉を使う時は、「一般常識のない人」という指摘をするリスクがあるので注意が必要です。
例えば最新の業界用語を、高齢の社員は知らないかもしれません。
「○○って言葉はどういう意味?」と高齢の社員が質問してきた時に、意味を説明した後で、「そんなの周知の事実ですよ」などと言うと、相手を傷つける事になります。
「周知の事実」を分解して解釈
「周知の事実」を分解してさらに詳しく解釈してみましょう。
「周知」とは「事実」とは一体どのような意味を持っているでしょうか。
詳しく分析する事で、より「周知の事実」と言う言葉を深く理解しましょう。
- 周知【しゅうち】
- 事実【じじつ】
周知【しゅうち】
まず「周知」という言葉について詳しく知ってみましょう。
「周」という言葉には、「広く行き渡る」という意味があります。
そのため「周知」という言葉には、多くの人に知れ渡るという意味があります。
「周知」を使った言葉には、「周知する」「周知の通り」という言葉があります。
「何かの知識を広く知れ渡らせる」という意味の言葉が「周知する」という言葉で、「わが社の商品を周知させよう」などと使用します。
また「周知の通り」という言葉は、「みんなが知っている通り」という意味で「周知の事実」と同じ意味の言葉になります。
事実【じじつ】
「事実」は「本当の事」という意味があります。
「事実」を使った言葉として「事実は小説よりも奇なり」という言葉があります。
本当に起こった事のほうが、小説の中で起こった出来事よりも不思議な場合があるという意味です。
「事実」の類語としては「本当」とか「真実」などがあります。
事実には「客観的に見て、本当の事」というような意味があります。
「周知の事実」について徹底解説
「周知の事実」について、さらに詳しく見て行きましょう。
「周知の事実」の「周知」に似た言葉を使って、間違った言葉遣いをしてしまう事があります。
それが「承知の事実」と「衆知の事実」という言葉です。
それぞれの言葉の意味と、正解か不正解かについて見て行きましょう。
- 「周知の事実」と「承知の事実」の違い
- 「周知の事実」と「衆知の事実」の違い
「周知の事実」と「承知の事実」の違い
「承知」という言葉があります。
例えば「そんな事はとっくに承知だ」とか、何かを頼まれた時に「承知しました」というように使います。
特にビジネス用語として「承知しました」は良く使います。
「○○をしてください」と目上の人に頼まれた時に、「承知しました」と答えるケースが多いからです。
ちなみに「了解しました」は目上の人が目下の人に使う言葉です。
ビジネスマナーとして「承知しました」が正解ですので知っておきましょう。
このように「知っている事」「理解している事」を「承知」と言います。
また何かを頼まれた時などに、その依頼や要求を「受け入れる事」を「承知」と言います。
そして「承知の事実」という言葉は実はありません。
似たような言葉で混同しがちですが、やはり「誰もが知っている事実」という言葉の意味にするためには「周知の事実」という言葉が適切です。
つい間違えてしまいがちですが、間違ってしまうと恥ずかしい思いをしてしまいます。
「承知の事実」という言葉はなく「周知の事実」が正解だという事を知っておきましょう。
「周知の事実」と「衆知の事実」の違い
「周知」と「衆知」は「しゅちうち」と読み方が同じです。
しかし意味が違います。
広く知れ渡った事実という意味の「周知」に対して、「衆知」には、多くの人々の知恵という意味があります。
「衆知」という言葉は、むしろ「英知を集める」というような意味があります。
そのため、間違って「衆知の事実」という言葉を使う人がいますが、実はそれは誤った使い方という事になります。
「衆知の事実」という言葉は無く、「事実」とつなげる時は「周知」という言葉になります。
「衆知」という言葉を使う時は「集める」が正解です。
例えば、たくさんの人の知恵を集めてプロジェクトを成功させようとする時に、「衆知を集めて、プロジェクトを成功に導きましょう」などと使います。
感じの雰囲気と、読み方が同じなのでつい混同してしまいますが、「周知」は「事実」、「衆知」は「集める」ものだと覚えておきましょう。
「周知の事実」という言葉は、「誰もが知っている常識的な事実」という意味です。
「衆知」や「承知」という言葉と「周知」という言葉が似ていて間違えやすいので、きちんと覚えておきましょう。