「固定概念」の意味とは?読み方、反対語や使い方、例文や例えを紹介!
「固定概念」という表現を聞いたことがあるでしょうか。
聞いたことあるけれどなんとなく抽象的すぎて意味がよくわからないという人もいるかもしれませんね。
ここでは「固定概念」という言葉について解説します。
目次
- 「固定概念」の意味とは?
- 「固定概念」にとらわれやすい人とは
- 「固定概念」の類義語
- 「固定概念」の対義語
- 「固定概念」の例文
「固定概念」の意味とは?
「固定概念」というのは「容易に外からの影響受けて変化することがない、固着した考え方」のことを指します。
「固定した概念」という意味です。
簡単にいうと思い込みとも言えるでしょう。
他の人の言葉や周りの状況に左右されることがない特有の考え方を指します。
周りから見ると思い込みにしか見えなかったとしても、本人にとっては曲げることができない考え方でもあります。
- 「固定概念」の読み方
- 「固定概念」は誤用?
- 「固定観念」と「固定概念」違い
「固定概念」の読み方
「固定概念」の読み方は、「こていがいねん」になります。
「固定概念」は誤用?
実は「固定概念」というのは「固定観念」の誤用です。
だからこそ「固定概念」を調べても辞書には載っていません。
最近では「固定概念」という表現もよく使われるようになり、日本語として認められるようになってきました。
どちらも同じような意味で使われることも多いです。
ただし、「概念」と「観念」には違いがあります。
「固定観念」と「固定概念」違い
一般的は観念は主観的な考え、概念は一般的な考え、という意味を持っています。
そのため、「固定観念」は主観的な思い込みという意味になります。
「固定概念」はほとんど「固定観念」と同じ意味で使われていますので、「固定概念」の思い込みだといえます。
ただし、観念と概念は違うという事は覚えておきましょう。
「固定概念」にとらわれやすい人とは
「固定概念」にとらわれやすい人について説明します。
- 柔軟性がない
- 決めつける
- 向上心がない
- 周りの人の意見を聞かない
- 変化が怖い
- 短気
柔軟性がない
そもそも「固定概念」にとらわれている人は思い込みが強いため、あまり柔軟に物事を考えることができません。
本人にとっては自分の考えが答えですから、そもそも周りの意見を聞く必要がないのです。
他の無駄だと思われるような意見に耳を貸すこともありません。
そのため自分なりに考えることもなく、いつまでも狭い世界に閉じこもっているという状態になります。
様々な状況に合わせて自分の考え方を変え、周りの適切な意見を聞き入れて自分を変化させていく、ということができないのです。
決めつける
相手をすぐに決めつける人を見た事はありませんか?特に周りの人をネガティブに判断する人は周りの人を決めつけている可能性があります。
例えば、子育てをする世代の若いママやパパに対し、すぐに「こうしなきゃいけないんだよ」と決めつけて判断するのもよくないです。
医学は常々進歩しており、世代が違えば赤ちゃんに対する医学の見解も大きく変わっている可能性があります。
ですから、古い考えのまま若い世代に決めつけた物言いをすれば、若い世代に受け付けてもらえない可能性があるのです。
向上心がない
向上心がないのも「固定概念」にとらわれている人の特徴です。
そもそも自分の考え方が1番である、自分の考え方が正しい、と思っている特徴がありますから、このような人は向上心を持ちません。
そもそも自分を高め、前進しようとは思わないのです。
また自分は1番と思っていますから、わざわざ努力して自分を向上させる必要がありません。
周りの人の意見を聞かない
「固定概念」が強い人は周りの人の意見を聞きません。
自分の考えが正しいわけですから、そもそも周りの人の意見を聞いて適切な判断をしようとする気持ちがないのです。
自分の中に固定されている考え方、思い込みを推し進めようとしますから、そもそもその考えを変える気などありません。
周りの人の意見を聞かない場合、その人は「固定概念」が強いと言えるでしょう。
変化が怖い
「固定概念」が強い人の場合、周りの意見に左右されて自分の意見を簡単に変えるという事はありません。
しかし、言い換えればそれは周りの人に自分の意見を帰られてしまうことを恐れているともいえます。
変化が怖い、周りの人から影響受けたくない、などという思いがあるため、常に自分が知っている世界を大切にしていたい、その世界を侵されたくない、という思いがあります。
短気
「固定概念」にとらわれている人の場合、短期という特徴が挙げられます。
そもそも自分の考えが正しいですから、他の人と意見が合わない、少しでも不快である、と感じたらためらうことなく態度に出してしまうことがあるのです。
自分の勘違いかもしれないという考え方は一切存在しません。
怒りを感じる、態度に出す、という事は問題がある行動では無いのですが、もしも早とちりや誤解によって相手に怒りを表してしまった場合、怒られた側は迷惑ですよね。
さらにそれを謝ることができないとなれば厄介です。
「固定概念」にとらわれている人は「自分のせいではなく相手に責任がある」という前提でいるため、起こりだすまで時間がかからないのです。
「固定概念」の類義語
「固定概念」に類義語について説明します。
- 「既成概念」【きせいがいねん】
- 「ステレオタイプ」
「既成概念」【きせいがいねん】
既成概念というのは既にできあがっていてそこにある考え方のことを指します。
つまり、一般的に社会で認められている考え方であり、社会で認められているからこそそうであるべきと決めつけてしまう考え方のことを指します。
例えば、太陽の色は赤色だと思いますよね。
日本においては太陽は赤くなりますし、日本の国旗である日の丸にも赤い太陽が描かれています。
しかし、世界的に太陽を赤くなるのは実は日本だけだと思言われています。
世界の多くの国では太陽は黄色やオレンジ、あるいは金色で描くことが多いのです。
つまり、「太陽は赤色」ということ自体、日本における既成概念だと言えるのです。
「ステレオタイプ」
ステレオタイプというのは多くの人に理解されている先入観や思い込み、認識、固定観念、レッテルや偏見、差別のことを指します。
フランス語から来たもので、ステレオとは全く違うものです。
例えば、2011年9月11日にアメリカのニューヨークで同時多発テロがおきましたよね。
イスラムの過激派によるテロが起こり、何千人という人々が亡くなりました。
しかしこれによりイスラムの人たちに対するステレオタイプが悪化し、イスラム教の人たちが差別を受けるという社会になりつつあります。
同時多発テロが起こったからといってすべてのイスラム教の人たちがテロリストというわけではありません。
しかしステレオタイプにより、イスラムの人たちに対する偏見が蔓延しつつあるのです。
日本においては北朝鮮の拉致被害者問題により、北朝鮮の人たちへの偏見が増しつつあります。
これもステレオタイプと言えるでしょう。
「固定概念」の対義語
「固定概念」に対義語について説明します。
- 「融通無碍」【ゆうづうむげ】
- 「悠揚自在」【ゆうようじざい】
- 「臨機応変」【りんきおうへん】
「融通無碍」【ゆうづうむげ】
「融通無碍」というのは考え方や行動にとらわれることなく、自由であること、自由な状態、を指しています。
例えば、幼稚園児がお絵描きをしているとしましょう。
子供たちが空を塗るとなれば、多くの子供たちはおそらく青色や水色を使うでしょう。
しかし、「自分が見た空はピンク色だった!」と空をピンク色で乱す子供がいれば、それは極めて融通無碍であるといえます。
もしかしたらその子が見たのは夕焼けだったかもしれません。
しかし、もしその子が夕焼けだったということを言わずにいきなり空をピンク色で塗り出したら周りは驚いてしまいますよね。
「悠揚自在」【ゆうようじざい】
「悠揚自在」とは考え方や行動が特定の物事にとらわれず、自由である、ということを指します。
常識に囚われていないこと、臨機応変に行動できること、を指すのです。
ちなみに悠揚とは落ち着いていること、ゆったりとして急いでいない状態、を指します。
「臨機応変」【りんきおうへん】
「臨機応変」というのはその時、その場に応じて適切な手段をとることを指します。
物事は状況によって様々な背景があり、たとえいちど解決策として有効な方法であったとしても、それ以外の状況でもその解決策が有効とは限りませんよね。
その時その時の状況に応じた方法を考えだし、その時に適した方法を用いるということが臨機応変である、ということになります。
「固定概念」の例文
「固定概念」に例文について説明します。
- 「新しい上司は固定概念に囚われているから、今度のプロジェクトは大変だ」
- 「うちの母親は固定概念に囚われているから面倒だ」
「新しい上司は固定概念に囚われているから、今度のプロジェクトは大変だ」
新しい上司として「固定概念」に囚われている人が現れたら、なかなか働きにくいですよね。
上司がこれまでの経験だけで物事を判断し、部下たちの経験などを聴き入れることなく自分の考えばかりが正しい、という立ち位置で支持してきたら、なかなか働きたいとも思えないかもしれません。
しかし、上司の下では逆らえない、という辛さがあります。
そんな時、「新しい上司は固定概念に囚われているから働きにくい」などということができます。
「うちの母親は固定概念に囚われているから面倒だ」
いつの世も、母親は子供を心配するものです。
しかし、その中にも「固定概念」に囚われているが故に子供にとってはめんどくさい、と思われてしまう母親もいるのではないでしょうか。
親の世代と子供の世代は物事が常に違います。
違う世代の人の物言いで子供に助言をしようとしても聞き入れてもらえないかもしれませんし、もしも子供が自分よりも広い世界で生活している場合、自分の物差しで子供の経験を図ろうとしてもうまくはいかないのです。
また、子供を決めつけた言い方をしたり、子供の話を聞かずに勘違いで怒り出したりしてしまえば、そもそも親子関係がうまくいかないかもしれません。
そのような場合、子供から「うちの母親は固定概念に囚われているから嫌だ」などと言われてしまうこともあるかもしれません。
いかがでしょうか。
「固定概念」というのはなんとなく日常的に使う表現でありながら、具体的に意味を知らなかった、という人もいるのではないでしょうか。
本当は固定観念という言葉が正しいため、「固定概念」という言葉は辞書には載っていません。
しかし多くの人に使われているため、何となく意味が通用する言葉になりつつあります。
「固定概念」という言葉は本来は固定観念であるということを意識した上で、うまく使っていけると良いですね。