「挙措」の意味とは?「挙措」と「挙動」「挙止」の違い・読み方・英語・類語
「挙措」とは、「立ち居振る舞い・身体の動かし方」です。
「挙措」の「意味・読み方・英語と解釈・使い方・挙措を使った言葉・例文と解釈・類語や類義表現」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「挙措」の意味とは?
- 「挙措」の読み方
- 「挙措」の英語(解釈)
- 「挙措」と「挙動」の違い
- 「挙措」の言葉の使い方
- 「挙措」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
- 「挙措」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「挙措」の類語や類義表現
- 「挙措」と「挙止」の違い
「挙措」の意味とは?
「挙措」の意味は、「立ち居振る舞い(たちいふるまい)・身体の動かし方・身のこなし」になります。
「挙措」という言葉は、元々は「手の挙げ措き(あげおき)」を意味していました。
「手の挙げ措き」というのは「手を挙げたり下げたりすること」というシンプルな意味であり、その「手の挙げ措き」の意味が転じて「立ち居振る舞い=体全体の動かし方・身のこなし」を意味するようになっていったのです。
例えば、「落ち着いた挙措に見とれてしまった」などの文章で、「挙措」の意味を示せます。
「挙措」の読み方
「挙措」の読み方は、「きょそ」になります。
「挙措」の英語(解釈)
「挙措」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“behavio”r(「行為・行動」から、「挙措」を意味しています。)
“His daily behavior is very good. ”(彼の日常生活の挙措は、とても良いです。)
“manners”(「振る舞い・マナー」から、「挙措」を意味しています。)
“My sister has neat and beautiful manners. ”(私の姉は挙措(立ち居振る舞い)が清楚で美しいのです。)
“〜in one's movements”(「人の挙措・立ち居振る舞いが〜である」を意味する慣用句的な表現になります。)
“She was elegant(graceful) in her movements. ”(彼女の挙措・立ち居振る舞いは華麗(優雅)です。)
“carry oneself well”(挙措を見事なものにする。)
“Carry yourself more well. ”(挙措をもっと良いものにしなさい。)
「挙措」と「挙動」の違い
「挙措」と「挙動(きょどう)」の言葉は、国語辞典でそれぞれの意味を調べると、「立ち居振る舞い・身体の動かし方」でまったく同じ意味になっていますが、実際の用法や使われる文脈にニュアンスの違いがあります。
「挙措」というのは「落ち着いた挙措・挙措から品格が感じられる」などの肯定的な文章で使用されることも多いのですが、「挙動」という言葉は「挙動不審(きょどうふしん)・怪しい挙動」のように、どちらかというとネガティブなニュアンスで使われることが多いという違いが見られるのです。
「挙動不審」とはいいますが、「挙措不審」とはいわないのです。
「挙措」の言葉の使い方
「挙措」の言葉の使い方は、「その人の立ち居振る舞い・身体の動かし方」について言及(指示)する時に使うという使い方になります。
例えば、「その人の日常生活の挙措を見てみれば、人となりを察することができます」や「慌ただしい挙措に育ちの悪さがにじんでいます」などの文章で、「挙措」の言葉を使うことができます。
「挙措」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
「挙措」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなどを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「挙措進退」
- 「挙措動作」
- 「挙措を失う」
- 「挙措失当」
- 「挙措の風」
「挙措進退」
「挙措進退(きょそしんたい)」とは、「日常生活における立ち居振る舞い・進むか退くかの身の処し方」を意味しています。
「挙措進退」は「挙措」とほぼ同じような意味でも使われますが、「進退」の文字が入っているため、「進むか退くかの身の処し方(身の振り方)」という意味合いも加わっています。
「挙措動作」
「挙措動作(きょそどうさ)」とは、「立ち居振る舞い・身体の動かし方全般・行為のやり方」を意味しています。
「挙措動作」の四字熟語は、「身体を動かすことに基づく振る舞い方」に意味の重点が置かれています。
「挙措を失う」
「挙措を失う」の言葉の意味は、「取り乱した行為(反応)をすること」や「冷静さを失って取り乱してしまうこと」になります。
例えば、「両親の事故の一報を受けて、私は挙措を失ってしまいました」や「彼はどんな時も挙措を失うことがありません」などの文章で使われます。
「挙措失当」
「挙措失当(きょそしっとう)」の言葉の意味は、「物事に対処する時に、その方法ややり方が適切ではないこと」になります。
「挙措失当」は漢文の訓読みでは、「挙措、当を失す(きょそ、とうをしっす)」と読むことができます。
例えば、「挙措失当によって同僚に大きな迷惑を掛けてしまいました」などの文章で、「挙措失当」の言葉が使えます。
「挙措の風」
「挙措の風(きょそのふう)」とは、哲学者・鷲田清一さんの「身ぶりの消失」に出てくる言葉ですが、「そのように振る舞うべき風習・習慣・様式」という意味になります。
「挙措の風」の「風(ふう)」という言葉は、「ある地域・社会・集団において共通している生活上の様式(やり方)・習慣(風習)」のことを意味しているのです。
「挙措」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「挙措」を使った例文や短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「挙措」を使った例文1
- 「挙措」を使った例文2
「挙措」を使った例文1
「彼女の日常生活の挙措は、いつ見ても清楚で素晴らしいものでした」
この「挙措」を使った例文は、「彼女の日常生活の身のこなし・行為(立ち居振る舞い)は、いつ見ても清らかで飾らず、素晴らしいものだったこと」を意味しています。
「挙措」を使った例文2
「挙措が乱れている人は、礼儀やマナーもきちんとしていないことが多いのです」
この「挙措」を使った例文は、「立ち居振る舞い(身体の動作全体)が乱れている人は、礼儀やマナーもきちんとしていないことが多い」ということを意味しています。
「挙措」の類語や類義表現
「挙措」の類語や類義表現について、分かりやすく解説していきます。
- 「立ち居振る舞い・身体の動作・仕草」
- 「起居・身のこなし」
「立ち居振る舞い・身体の動作・仕草」
「挙措」の類語・類義表現として、「立ち居振る舞い・身体の動作・仕草(しぐさ)」があります。
「挙措」という言葉は、元々「手を挙げたり下げたりする身体の動作全体」を意味していたので、それと似た意味を持つ類語として、「立ち居振る舞い・身体の動作」を上げられます。
「仕草」というのは、「物事をする時の動作・やり方・態度」を意味しています。
「挙措」には「体の動かし方」の意味もあるので、その類義表現として「仕草」も指摘できるのです。
「起居・身のこなし」
「挙措」の類語・類義表現として、「起居(ききょ)・身のこなし」があります。
「起居」の言葉の意味は、「立ったり座ったりすること・立ち居振る舞い」になります。
「身のこなし」というのは、「身体の動かし方・動作する時のやり方」を意味しています。
日常的な立ち居振る舞いや身のこなしを示す「挙措」の類義表現として、「起居・身のこなし」を上げることができるのです。
「挙措」と「挙止」の違い
「挙措」と「挙止(きょし)」の違いは、「挙措」は「日常の立ち居振る舞い・体の動かし方全般」を意味していて、「挙止」もまた「立ち居振る舞い・挙動や動作」を意味しています。
国語辞典における意味では、「挙措」と「挙止」はほぼ同じ意味の言葉として扱われていますが、「挙措」の語源が「手の挙げ下げ」にあるのに対して、「挙止」の語源が「立ち止まっている姿・容姿」にあるという違いはあります。
「挙止」の方が「挙措」よりも、「容姿・容貌・スタイル」などに意味の重点があるのです。
「挙措」という言葉について徹底的に解説しましたが、挙措には「立ち居振る舞い・身体の動かし方」などの意味があります。
「挙措」の類語・類義表現としては、「立ち居振る舞い・身体の動作・仕草」「起居・身のこなし」などがあります。
「挙措」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。