「蠱惑」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
男性は美しい女性に対してはつい気を許してしまいますが、これは決して変なことではありません。
女性がいるから男性はたくましく見せようを努力するものですし、女性も男性を意識したり、注目を浴びたいと思うから自分の美貌に磨きをかけていくのだと思います。
しかし、中には男性の心を虜にするだけでなく、おかしくさせてしまうような人もいます。
そのような時に出てくる言葉は「蠱惑」という言葉かもしれません。
目次
- 「蠱惑」の意味とは?
- 「蠱惑」を分解して解釈
- 「蠱惑」の使い方
- 「蠱惑」を使った例文・短文(解釈)
- 「蠱惑」の英語と解釈
- 「蠱惑」の類語や類義表現
「蠱惑」の意味とは?
「蠱惑」という言葉を知っている人はどのくらいいるでしょうか?
このような漢字を見ると、かなり難しそうな意味の言葉のように思えるのですが、決してそうではありません。
「蠱惑」とは、「人の心を乱したり惑わすこと」で、簡単に言うと「たぶらかす」ということになります。
世の中には、セクシーで小悪魔的な女性がたくさんいますが、このような女性や女の子が男性をたぶらかすような時に、「蠱惑」という言葉が出てきます。
- 「蠱惑」の読み方
「蠱惑」の読み方
「蠱惑」は「こわく」という読み方になりますが、特に「蠱」という漢字はめったに目にすることがありませんので、ここでしっかりと憶えてもらえればいいでしょう。
「蠱惑」を分解して解釈
では、この「蠱惑」という言葉を「蠱」と「惑」の2つに分けて、それぞれどのような意味があるのかを見て行こうと思います。
- 「蠱」
- 「惑」
「蠱」
「蠱」は、日常生活の中やビジネスの中でさえ使う文字ではないかもしれませんが、これには「惑わす」という意味がある漢字です。
時おり、「蠱」=「むし」と当て字的に読むことがあるようですが、「まじないに使う虫」や「人を害する呪いや毒薬」という意味も含まれています。
元々「蠱」という文字は、「虫を共食いさせる」という動きから生まれた言葉で、「蠱」自体が持つ「惑わす」の意味にも、人を「たぶらかす」という意味があります。
「惑」
「惑」には「何かに惹き付けられて正しい判断ができなくなる」という意味があり、「魅惑的な女性」というような表現で使われます。
この2つの文字が合成された「蠱惑」は、「人の心をおかしてしまうほど狂わす」ということになるのです。
「蠱惑」の使い方
今では、ビジネスシーンで使われる日常生活の中でも「蠱惑」を使ってる人は、ほとんどいないと言ってもいいでしょう。
でも、「人の心を惑わして狂わせる」という意味では、日常的な場面でよくあることです。
但し、女性に対して「蠱惑」を使う場合はかなり注意しないと失礼に当たる場合もあり、彼女の機嫌を損なってしまうことがあるかもしれせん。
「蠱惑」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「蠱惑」を使った例文を挙げることで、どんな場面で使えそうか理解してもらえればと思います。
- 「蠱惑」の例文1
- 「蠱惑」の例文2
- 「蠱惑」の例文3
「蠱惑」の例文1
「彼女は次々と男をたぶらかす蠱惑的な女性だ」という例文が、「蠱惑」の典型的な文ではないでしょうか?
女性はいつの時代でも、自分の美貌で男性を誘惑していきました。
古代の時代から現代までそのことは変わりはしませんが、男性も注意をしなくてはならないこともあります。
「蠱惑」の例文2
「あの子は、ハーフを思わせる面立ちの蠱惑的な女で、いつも笑顔で男性の注目の的だ」
この文も「蠱惑」を使う文としては、すぐに使えそうな場面です。
だた「蠱惑」は小悪魔のような魅力を持つ女性を対象に使うことが多い言葉のように思えますが、ケースによっては男性に対して使うこともできるでしょう。
「蠱惑」の例文3
「君の蠱惑的な美貌に俺の魂はすっかり奪われてしまった」
もうここまでくると、友人の忠告にも冷静に耳を貸すような状態ではない「俺」かもしれません。
本当はもっと冷静にならなければいけないのですが、早く眼を覚ます必要がありそうです。
「蠱惑」の英語と解釈
「蠱惑」を英語で表現すると、“attractive”という言葉になってきますが、注意しなければならないのは「蠱惑」と似た意味のある「魅惑」でも英語で言い換える時は、この“attractive”を使います。
「蠱惑」という解釈になるか、「魅惑」と理解するかは、会話や文章の流れで判断していく必要が出てきます。
「蠱惑」の類語や類義表現
では、「蠱惑」と同じか似たような意味がある類義語を考えていくことにしましょう。
- 「魅惑」
- 「チャーム」
- 「悩殺」
「魅惑」
先程からも出てきた「魅惑」が「蠱惑」に近い意味を持つ言葉として挙げられると思います。
ただ「蠱惑」と「魅惑」は全く同じ意味があるというわけではなく、若干の違いが見られ、「相手をたぶらかすかどうか」によって、使い分けが出てきます。
「魅惑」の「魅」は、「心を惹き付けて惑わす」という意味がありますが、「惑」は、「惹き付けられて正しい判断ができなくなる」という意味になるので、「魅」の「惑わす」には、「蠱」の「惑わす」のような「たぶらかす」という意味が含まれてはいません。
「チャーム」
「チャーム」も「蠱惑」に近い意味がある言葉で、「チャームポイント」といったような表現があります。
意味は「人の心を惹きつけること」ということで、まさに「魅力」ですね。
またどちらかいうと、「チャーミング」をいった表現で使われることが多い言葉ではありますが、最近の若い人の間では、あまり聞くことがめっきりなくなった感じがあるので、死語になってるのでしょうか?
英語では、ごく普通に「魅力的な」といった意味で使われています。
英語表記では、「charm」で「魅了する」、「惹きつける」という意味になり、そのまま「魅了」、「魅惑」という使い方になります。
「悩殺」
「悩殺」という言葉はセクシー女優や女性タレントが載っているグラビア雑誌を連想させる言葉かもしれません。
「悩殺」とは、「興味か好奇心を持たせる」ということで、「セクシーな女が自分の美しさで男の心をかき乱し非常に悩ますこと」という意味で理解することができます。
「悩」は「悩ましい(なやましい)」ですが、「性的な刺激を受けて平常心が保てない」という解釈があります。
また、ここで言う「殺」は、「ころす」ではなく「度合いが強い」という意味で解釈されることで、「悩殺」は特に「女性が性的魅力で男性をひどく悩ませること」ということになってきます。
「性的な魅力で男性を死ぬほどまでに悩ませる」ということから、「悩殺」という言葉が生まれてきたと思われます。
「悩殺ポーズ」というと「性的に男性を虜にさせてしまうポーズ」や「釘付けにしてしまうポーズ」という意味になるでしょう。
よくグラビア雑誌では、胸の谷間をアップさせた接写ポーズなどのことを「悩殺ポーズ」と言うことがありますね。
「蠱惑」を使う場合、「小悪魔な女の子」や「魔性の女性」なら喜ばれるでしょうが、本当に心も含めて美しい女性を表す時には、あまり適した言葉ではないので、使うことは控えた方が無難です。
一方で、ビジネスでも化粧品の新作PRなどで、「蠱惑的な顔で男性を虜に」というような使い方もあるかもしれません。
このように考えると、使い方次第で色々なバリエーションが出てきそうな言葉かもしれません。